USP
『マーケティングはじめの1歩』第18回
前回の第17回目は「プロモーション」の4回目プル戦略「メディア計画」について、お伝えしましたね。本日は「プロモーション」の5回目プル戦略広告「USP」についてお伝えします。
USP(Unique Selling Proposition)とは「独自の売り」あるいは「独自の売りの提案」と訳されます。
単なる強みではなく、「顧客に対して、自社だけが約束できるメリット」です。
USPは、分かりにくいと言われていますので、歴史をお伝えしておきましょう。
1960年代、アメリカのコピーライターであるロッサー・リーブス氏が過去に成功した広告を調査したところ、ある共通するパターンを見つけます。
それがUSPなのですが、基準を決めています。
1.広告は顧客への提案でなければならない単なる言葉の羅列や宣伝文句ではなく「この商品を買えば、こういう利益を手にする」と伝えるべきだ。
2.その提案は独自のものであること競合が同じ提案をできない、あるいはしないもの。
3.提案は強力であること大衆を動かす力がある提案をする。
「独自=他社にない」ではありません。
「独自=競合が同じ提案をできない、あるいはしないもの」です。
例を上げると分かりやすいです。
【吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機】
ダイソンのサイクロン式掃除機
紙パック式掃除機の吸引力の低さに腹を立て、何年もかけてサイクロン式を発明したジェームズ・ダイソン氏「吸引力の落ちない掃除機があれば、絶対他の人も欲しいだろう」という信念が、あったそうです。
【お口でとろけて、手にとけない】
M&M’sチョコレート
南太平洋に展開していたアメリカ陸軍からの要望で作られました。
【30 分以内にお届けします。もし30分以上かかったら、ピザの料金は頂きません】
ドミノピザ
食べ物の「売り」は通常では旨さ、味と考えるところ、早さを「売り」にしたところがユニークです。
つまり、宅配ピザに美味しさを求める客は、あえて追わないという決断をしたことになります。
【10分の身だしなみ】
QBハウス
カットのみ、10分、1,200円の理髪店。
USPを作る目的は、「効果的なマーケティングを行い、顧客に行動を起こさせる」ことです。
顧客に行動を起こさせるためには、顧客の視点に立ち「顧客にとってのメリット」を徹底的に考える必要があります。
また、企業として一生貫く顧客との約束になるのでよくよく考える必要があります。
広告を作成する上で、重要なポイントになります。
次回は、プル戦略「パブリシティ」について、お伝えしますので、お楽しみに。
参考:プル戦略とプッシュ戦略