購買心理
『マーケティングはじめの1歩』第29回
本日は「購買心理」についてお伝えします。
消費者行動モデルには、広告や口コミなどの刺激(Stimulus)を、生活体(Organism)で受け、購買・不購買などの反応(Response)をするという「S-O-Rモデル」があります。
代表例は、ハワード=シェス・モデルで、1969年にマーケティング学者のジョン・A・ハワードとジャグディス・シェスによって提唱されました。
それまでのモデルは、消費者の内面をブラックボックスとして位置づけていましたが、このモデルは消費者の心理状態までも解明しようとしたことが特徴的です。
ハワード=シェス・モデルでは、消費者の購買意欲は以下の4つのプロセスによって決まるとしています。
1)情報のインプット
S-O-Rモデルでいう「刺激」広告などで商品特性や価格などを知る
2)知覚構成概念
S-O-Rモデルでいう「生活体」インプットした情報を処理する
3)学習構成概念
S-O-Rモデルでいう「生活体」購入するかどうかの意思決定をする
4)アウトプット
S-O-Rモデルでいう「反応」購買する
さらにこれらのプロセスににおいて、購買にいたる意思決定には以下の3つのパターンがあります。
A)拡大的問題解決
それまでに知識のない製品カテゴリーの購入の場合、広く情報探索をして複数の代替案の中から自分に適するものを選ぼうとします。
B)限定的問題解決
購買しようとする製品カテゴリーに、ある程度知識のある消費者が、実際の購買に際して新製品について多少の情報を検索したり、店頭でいくつかのブランドを見比べたりなどして
から購入しようとします。
C)日常的反応行動
消費者がいつも購入していて、製品属性やブランドの特徴を良く知っている場合、購買行動を起こす前にいろいろと調べたりせず、既に知っているものやいつも買っているものを選んでしまいます。
調べたり、広告を見た結果、好意的な態度が形成されれば購買の意図を強め、購買行動を起こすことになります。
そして、購買後は製品の使用価値を満足・不満足という判定でフィードバックされ、ブランドに関する知識が強化されたり修正されたりします。
このモデルに従えば、新商品の売れ行きが不十分な場合は、この一連のプロセスの中のどこかに欠陥があると考えて、改善を図ることになります。
次回は、「ネット時代の消費行動」について、お伝えしますので、お楽しみに。