デザイン思考
『マーケティングはじめの1歩』第24回
本日は「デザイン思考」についてお伝えします。
デザイン思考は、第22回のソリューションセリングと深い関係があります。
合わせてお読みください。
デザイン思考は、IT時代のマーケティングイノベーションと言われています。
まず、デザイン思考とは、「デザインに必要な思考方法と手法を利用して、ビジネス上の問題を解決するための考え方」のことです。
デザインはこの場合、図案という意味ではなく、設計という意味になります。
技術の進歩で、人類のニーズはほぼ満たされています。
新商品を作れば売れる時代は、遠い過去のことになりました。
つい20年前までは、新商品が出ると並んで購入し、持っているだけで満足している人もいました。
しかし、現在は世界中から自分の欲しいものを検索し、簡単に海外からでも購入して、SNSで評価を投稿します。
受動的だった行動が、能動的に変わってきて、評価も厳しくなっています。
そこで、これからのマーケティングでは、ニーズを把握するだけでなく、ニーズを生み出すことが大切になってきました。
その手法として、最近注目されているのが「デザイン思考」です。
iPodは、この手法で生み出されたと言われています。
「デザイン思考」5ステップ
1)共感・観察(誰を狙うか)
テーマ設定ののち、個人の行動を観察、ユーザーインタビューなどを行います。常にユーザー視点に立ち、ターゲットのことを理解しようと務めます。
2)問題定義(どんなものが欲しいのか)
ステップ1の結果を掘り下げ、問題そのものの設定(課題定義)を行います。
ユーザーインタビューや観察で「ターゲットが困っていること」「なぜ困っているのか」が明確になります。
さらに掘り下げ、困っていることの根本的問題を見つけ出します。
3)アイディア創出(どんなものを創るか)
スタッフ間で多様なアイディアを出し合い、コンセプトを創造します。
どんなアイディアがユーザーに受け入れられるか、思いつく限りのアイディアを上げます。
iPodは、社内外35人の開発者のアイディアから作り出されたということです。
4)プロトタイピング(どんな形状にするか)
検証のための試作品を作成します。実際にプロトタイプを作成することで、アイディアがより具現化でき、イメージが湧きやすくなります。
実際の試作品を使うことで、ユーザーテストがやりやすくなります。アイディアが技術的に、実現可能なのかを、はかることもできます。
5)検証(興味を持ってもらえるか)
試作品を用いて、ユーザーテストを繰り返し、検証を行います。
ターゲットに向けて検証・改善を繰り返し、試行錯誤しながら、最終的にクオリティの高い製品に仕上げます。
次回は、「ブルー・オーシャン戦略」について、お伝えしますので、お楽しみに。