販売促進
『マーケティングはじめの1歩』第20回
前回の第19回目は「プロモーション」の6回目プル戦略「パブリシティ」について、お伝えしましたね。
本日は「プロモーション」の7回目プッシュ戦略「販売促進」についてお伝えします。
いよいよ、今回からプッシュ戦略です。
参考:プロモーションの種類
プッシュ戦略の代表である販売促進は、直接的に人の行動(購買)を促すために、インセンティブ(誘引)を提供します。
販売促進は誰が、誰を対象に行うかによって以下の3つに分類されます。
1.消費者プロモーション
<メーカ→消費者>
・値引き
・サンプリング
・クーポン
・特別パック
・プレミアム(景品)
2.トレード・プロモーション
<メーカ→流通業者>
・値引き
・アローワンス(協賛金)
・キャッシュバック
・コンテスト
・特別出荷
・販売助成
3.リテール・プロモーション
<小売業者→消費者>
・値引き
・特別陳列
・チラシ
・POP・ディスプレイ
・クーポン
販売促進で、よく活用される施策が「値引き」です。
値引きは、顧客側にとっては、分かりやすい付加価値です。
また、企業にとっても特別な準備などなく、すぐに実行できて、効果を感じやすい施策です。
例えば、値段はそのままで、特典を付けたとしても、その特典に価値を感じるか、否かは顧客によって異なります。
一方、商品の単価自体を下げる「値下げ」は、幅広いターゲットに効果的です。
顧客の多くは、新商品などのまだ購入したことのない商品に警戒心を抱きます。
ある一定の評価をされている商品は失敗がありませんが、購入者の多くは、良く知らないモノを、あえて購入しようとは思いません。
そこで、値引きを実施することで購入のハードルを下げることができます。
値引きは、新規顧客だけではなく、既存顧客に対しても効果が見込めます。
「会員限定」など既存顧客限定の値引きや新規顧客の紹介割引を行うことで、
継続的に自社商品を購入してくれている顧客の満足度向上につなげることができます。
しかし当然ですが、値引きをすると1商品あたりの利益率は低下します。
ただその分、値引きによって顧客の購買意欲を刺激し、より多くの商品を購入してもらうことで、利益の総額を増やしていくのが、値引き施策の本来の目的です。
利益の総額を増やすことを目的に値引き施策の戦略を立てることが重要です。
安易に値引きを繰り返すと、値引きに慣れた顧客が定価の商品を購入しなくなり、利益の総額が、かえって下がる可能性もあります。
次回は、プッシュ戦略「人的販売」について、お伝えしますので、お楽しみに。