製品デザイン
『マーケティングはじめの 1 歩』第 9 回
前回の第 8 回目は「ポジショニング」について、お伝えしましたね。見逃した方は、こちらからご覧ください。
本日は「製品デザイン」についてお伝えします。
ニーズで分けたセグメンテーション、その中から選んだターゲット、各セグメントの満足度を高めるために、競合他社と、どう差別化するかという位置づけ(ポジショニング)と、合致した製品を設計しなければ、なりません。
マーケティング・コンセプトでは、製品が提供する核となるベネフィット(便益)を具体的な製品属性と結びつけます。
概念的な説明だけでは分かりにくいので、例をあげましょう。
花粉症の人というセグメントでその中でも、花粉の季節でもおしゃれをしたい若い女性をターゲットとした場合、ファッショナブルなマスクでは1 番というポジションを取りに行くこととしました。
この場合のベネフィットは、
・ファッショナブルである
・花粉をカットできる
・リーズナブルである
・手に入れやすい
・耳が痛くならない
・息苦しくない
・肌荒れしない
・臭くない
などです。
このベネフィットの核に、パッケージ、ブランドネーム、サイズ、容量、品質などの製品形態、さらに、配達、保証、アフターサービスなどの付随機能も含めたトータルな組み合わせとした製品が、消費者が購買するかどうかの意思決定に影響を与えています。
マーケティング用語で、「製品デザイン」といいますが、「サービス」も同じように設計できます。
例えば、美容院の場合
セグメント:自分に似合う髪型が分からない人
ターゲット:髪が薄くなったり、腰がなくなってきたため、今までの髪型が似合わなくなった中高年女性
ポジショニング:今の髪質と量で、骨格から似合う髪型を提案
この場合のベネフィットは、
・髪型が似合う
・髪質チェックがマニュアル化されていて、どのスタッフでも一定のサービスを受けられる
・骨格診断は、イラストを使い納得感がある
・自分で再現できる
・リーズナブルである
・髪が傷まない
・薬剤がしみない
・シャンプーが気持ち良い
・ブラッシングが丁寧
・ブローが早い
などです。
これに、所要時間、遅くまで営業、品質、接客態度、お店の清潔度、コーヒーやお菓子のサービス、テレビが見られる、雑誌の種類が豊富、会員へのサービス、保証、美容師がイケメンなどの組み合わせで、その美容院へまた行くか、行かないかを判断されます。
製品デザインでは、セグメント、ターゲティング、ポジショニングに合ったベネフィットから、考えて行きます。
おしゃれをしたい若い女性をターゲットとしたのに、マスクのカラーバリエーションを増やし、若い女性が好まないカラーを作っても、売れ残ってしまいます。
製品から考えるのではなく、ターゲットのベネフィットから製品を作ることが大切です。
次回は「価格設定」についてお伝えしますので、お楽しみに。