広告の予算の決定
『マーケティングはじめの1歩』第16回
前回の第15回目は「プロモーション」の2回目プル戦略「広告の目的」について、お伝えしましたね。
本日は「プロモーション」の3回目プル戦略「広告の予算の決定」についてお伝えします。
広告の目的を明確化したら、次は予算を決めます。
広告作成のプロセスの順番については、前回ご説明しました。
見逃した方は、こちらからご覧ください。
広告予算の決め方は以下の4パターンです。
1)支出可能額法
2)売上高比率法
3)競争者対抗法
4)目標基準法
漢字をご覧になると、なんとなく分かるかと思いますが、順番に解説していきます。
【支出可能額法】
自社で、出せる可能な限りの金額を使う方法です。
あらかじめ広告にいくら支払えるかを決定し、その額を超えないように調整します。
広告が売上にどれだけ寄与するかを考慮していないため、長期的な広告予算が立てにくいという問題点があります。
【売上高比率法】
売上の一定割合(例えば5%)を支出します。
例えば、売上高が2割増えたら、予算も2割増えます。
逆に売上高が減れば、予算も同じ比率分だけ減額されます。
本来、広告の結果、売上があがるはずのところを、売上の結果が広告の予算を決定するという、逆の考え方になっています。
そのため、売上が落ち込んだときに、せっかくの市場機会を発見したとしても、十分な予算がおりない状況が起こります。
この方法も、広告予算を長期的な観点から設定することが、できません。
【競争者対抗法】
広告効果は、広告主間の相対的な支出シェアに影響されると考える方法です。
つまり、競合他社と同じだけの広告費を支出するという考え方です。
同じ費用なら広告戦争を回避できるという考えから支持される予算設定法です。
ただし、広告に同じ費用をかけても、同等の効果を得られる保障はどこにもありません。
ブランドイメージ、ターゲット、認知度などが違うのに、広告費だけ同じにしても、結果は同じにならないことは、容易に想像が付くでしょう。
【目標基準法】
具体的な数値目標に向けて、費用対効果の客観的分析から予算を決める方法です。
以下のステップで、数値を出していきます。
1.市場の何%の人に広告を届けたいか設定します(市場シェア目標)。
2.広告が到達すると思われる市場比率を設定します。
3.メッセージを認知し、製品を試用する見込み客の比率(試用率)を設定します。
4.試用率1%当たりの広告露出回数を見積もります。
5.標的人口1%に対し、1回の露出にかかる費用(GRP)を算出します。
6.GRPに基づいて予算を決定します。
この方法は、一見合理的に思えますが、広告効果の正確な把握という難しい条件があります。
以上、代表的な4つの手法を説明しました。
次回は、「3.メディア計画」について、お伝えしますので、お楽しみに。