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ダイナミック・プライシング

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『マーケティングはじめの1歩』第12回

前回の第11回目は「価格設定:差別化」について、お伝えしましたね。

見逃した方は、こちらからご覧ください。

価格設定:差別化

本日は「価格設定」の第3段「ダイナミック・プライシング」について、お伝えします。

ダイナミックプライシングとは、消費者の需要と供給に応じて価格を変動させることです。

商品・サービスを「高需要なら高く」「低需要なら安く」提供することで、顧客の多様なニーズに応えつつ、増収を図るものです。

例えば、旅行代金。

季節、休日/平日、飛行機の発着時刻、ホテルの築年数、駅からの距離、観光地との距離、イベントの有無など。

通常ですと、このようなビッグデータを利用するには、回収や集計に時間や手間がかかってしまいます。

しかし、AIを用いることで、素早く複雑な複数の条件を考慮して値段を決定できるようになりました。

また、これらのデータがたまればたまるほど、その精度が上がっていくのも、AIを利用したダイナミックプライシングの特徴です。

ダイナミックプライシングのメリットは、以下の2つです。

・収益の最大化
・在庫を抱えなくて済む

【収益の最大化】
需要があるときは、なるべく収益の上積みを行い、需要がない時は空席や空室をなるべく無くす価格調整を行います。

ビッグデータを根拠にすることから、感覚ではない、最も企業にとって有利な価格設定ができます。

【在庫を抱えなくて済む】
需要が下がる時期に、適正な値下げをすれば、ある程度の利益を保ったまま商材が売れる可能性も出てきます。

つまり、企業としては閑散期に大量に在庫を抱えるリスクの防止にもなります。

実は、ダイナミックプライシングは古くから、用いられてきました。

季節の終わりには、セールがあり大安の日と、仏滅の日の結婚式場の代金は、大きな差がありました。

最近、特に注目されているのは、AIの技術だけでなく、顧客の価値観の変化もあると思います。

同類の商品・サービスであっても仕様(品質・価格など)の異なるものが多数存在するので、自分の好みにこだわるようになってきました。

企業も、価格を細かく設定して顧客にタイムリーに伝えられるようになり、より活用しやすくなっています。

同じ製品でも、限定カラーの個数を限定し、価格を、通常カラーよりも高めに設定し、発売時期を事前告知。

発売と同時に完売という成功例を私たちは、数多く見ています。

さらに、タイムセールが加わりポイント利用、複数購入特典送料無料・・・。

同じ商品なのに、何種類もの価格設定があり、ネット販売では、どの店舗が1番安く購入できるか、簡単に比較できます。

消費者は、情報を見比べ自分の判断基準で選択し、購入しています。

この流れは、これからもどんどん発展していくと思います。

次回は、価格設定の最終回「価格の心理的側面」についてお伝えしますので、お楽しみに。

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